生存者ゼロ

生存者ゼロ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)日本では珍しいバイハザード・パニック小説。
少し地味だが、真面目な書き方に好感が持てる。

北海道の海上の石油採掘基地からの連絡が途絶え、調査に赴いた自衛隊員は凄惨な光景を目にすることになる。
採掘基地の全員が死亡したのは、新種のウィルスが原因と疑われた。
真相を追う自衛隊員と落ちぶれた細菌学者は、恐るべき真実にたどり着く。

敵がウィルスだと思っていた時は、今ひとつ盛り上がらなかったが、敵の本当の正体が分かった時点から、俄然盛り上がって来た。

主人公の一人である自衛隊員は、まじめなだけで面白みがないが、もう一人の細菌学者はなかなか味がある。
理性がある時と理性を失った時の落差が激しく、ジキルとハイドのようである。
理性を失っている時の悪人っぷりは、セリフの薄っぺらさもあって、今どき珍しいほど分かりやすい。

結局、神の声はなんだったのだろうか?
作者から読者への宿題なのだろうが、すっきりしない感じが残る。

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