あの「キルラキル」を制作した「トリガー」のスタッフによる著者である。
中心になるのは「制作進行」。
誰も知らないアニメ制作のディープな世界を味わえる。
制作進行って、権限のないプロジェクト・マネージャだな、と思った。
全ての制作物とスケジュールに責任を持って調整しながらも、若い人が任されることが多いので、ほとんど権限がない。
最悪な仕事である。
確かに、若くしてアニメーション制作の全体像を把握出来ると思うが、この立ち位置では辞める人が多いのも頷ける。
著者自身も「制作進行」出身で、この本は「制作進行」の新人教育のような体裁をとっている。
監督やキャラクターデザイン、作画監督、原画マン程度しかアニメーションのスタッフの役割は知らなかったが、この本を読むといかに多くの人が関わる総合芸術であり、複数の仕事を掛け持つプロによる「仕事」であるかがよく分かる。
流石は「キルラキル」を生んだ会社の本だけあって、フォントや構成が凝っている。
そして、著者の会社とアニメ業界への愛が感じられる本である。
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