バルフィ!人生に唄えば

【映画パンフレット】バルフィ!人生に唄えば  Barfi! 監督 アヌラーグ・バス キャスト ランビール・カプール、プリヤンカー・チョープラー、イリヤーナー・デクルーズインド映画だが踊りと歌は少なめである。
主人公が耳が聞こえず、声が出ないせいでもある。
しかし、映画がむかし持っていた明るさと楽しみがある作品だった。

主人公の青年は、耳が聞こえず、声も出せないが、明るく暮らしていた。
その彼が恋した美女には婚約者がいた。
二人の楽しい日々は続かず、彼女は彼の元を去っていく。
病気の父の手術代を得るために、金持ちの家の娘の誘拐を計画するが、誘拐は失敗し、自閉症の娘と二人で奇妙な旅をすることになる。

耳が聞こえず、声も出せない主人公というアイデアが秀逸である。
別に可哀想な身体障害者ではない。
この設定で映画から声を奪ったことで、無声映画のような作品になっている。
チャップリンの映画を観るようだった。
古い映画の雰囲気も手伝って、登場人物たちの気持ちがとてもピュアに思え、ちょっとしたことが感動的になる。

主人公の障害や直面する困難の描き方は、ユーモラスで、時に残酷である。
「ガープの世界」のように人生がファンタジーに思える演出である。

どこまでも明るく、いたずら好きの主人公だが、愛を試さずにいられないのが寂しくも人間的なところだ。
電信柱に切り込みを入れて、倒れて来た時に、彼を見捨てて逃げないか、好きな人を試すのだ。
その結果が、ラストに繋がっていく。

ちょっとしたミステリーとしても楽しめる。
出来たばかりなのに古典的名作のような映画だった。

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