行動分析学の調査をしているとNLPという言葉をよく見かける。
NLPについては、著者によって扱いが良い時と悪い時がある。
どんな方法なのか興味があったので、お手軽そうなこの本を読んでみることにした。
人は五感を通して理解して、学習したことがらを脳にプログラム化する。
そして言語を使ってコミュニケーションする。
NLP(Nuuro Linguistic Programinng:神経言語プログラミング)とは、これを効果的に行う手法である。
心理学の分野では、NLPは科学的ではないという批判がある。
しかし、ビジネスコンサルティングの手法は、ほとんど経験則のようなものである。
NLPも有効な部分があれば利用しない手はない。
NLPは、以下のような前提があるという。
- 現実の体験の内容を変えるより、現実を体験するプロセスを変化させる能力のほうが、価値があることが多い。
- コミュニケーションの意味は、受け取る反応にある。
- 人が変化を起こすために必要なリソースは、すでにその人の中にある。
- すべての行動には、それを起こさせる肯定的な意図がある。また、すべての行動にはその価値を生かせる状況がある。
- 与えられた仕事や状況に対して、それが望んだ結末であってもなくても、あらゆる結果と行動は、成功である。
本書では、以下のNLPの13のメソッドを身近な事例とマンガを使って紹介している。
01.ラポール
02.キャブレーション
03.サブモダリティの変換
04.アンカリング
05.タイムライン
06.ポジション・チェンジ
07.リフレーミング
08望ましい状況を引き出すための質問
09.メタモデル
10.ミントモデル
11.ビジュアル・スカッシュ
12.メタファ
13.恐怖症の解消
例えば、「ラポール」と「キャブレーション」は次のようなメソッドである。
【ラポール】
相手に安心感を持ってお互いに受け入れ、十分な信頼関係を築くこと。
類似性の法則を最大限活用することから始める。
- ペーシング 相手の動きやペースに合わせる。
- ミラーリング 相手と同じ動作を行う。
- バックトラック 相手の言葉を繰り返す。
- 呼吸合わせ 相手の呼吸に合わせる。
- 価値観へのマッチング 相手の価値観や信念などの考え方にマッチングする。
【キャブレーション】
相手のしぐさや姿勢をじっくり観察する。
これを徹底して行うと、相手の言語と非言語の差異を発見でき、相手の「本音」のキャッチが可能になる。
視線の動きで感情が分かる。
- 過去のイメージは左上
- 新しいイメージは右上
- 過去の記憶(聴覚)は左横
- 聞いたことのない聴覚は右横
NLPのメソッドは、有効に働くのであれば強力な手法であり、日々の問題を解決するのに役立つと思う。
しかし、強力なだけに、新興宗教や悪徳商法に利用される恐れもある。
まずは知っておくことが防衛策になると思う。
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