サンリオSF文庫総解説

サンリオSF文庫総解説ある世代のSF好きには強烈な影響を与え、古本屋で高値を付けているサンリオSF文庫。
随分むかしに無くなってしまったサンリオSF文庫の全ての作品を紹介しようという試みである。
良くも悪くもファンジンだった。

サンリオSF文庫は、日本では紹介されていない英米以外のSFや、現代文学に近いSFを次々に出版した不思議なシリーズだった。
当時大学生だった私も、凄そうな雰囲気に惹かれて、分からないながらもよく読んだものだ。
この本を読むと、そんなサンリオSF文庫の生まれた背景と無くなった経緯がよく分かる。

この本では、サンリオSF文庫の全作品を解説しているのだが、作品内容よりも作品とレビュアーの関係や想い入れが多く語られている。
結局どんな本なのか分からない解説も多い。
まあ、それがサンリオSF文庫だとも言える。

サンリオは早川や創元に比べて金があったので版権を買いまくったのだが、翻訳者の手配が追いつかなかった、という裏話も楽しい。
ひとつの時代を一緒に生きた人たちの同人誌のような本である。

古書店で高値を付けることで有名なサンリオSF文庫だが、意外にも他社から再刊されている作品が多い。

この本で読みたくなった作品は以下の通り。
「死の迷宮」フィリップ・K・ディック
「鳥の歌いまは絶え」ケイト・ウィルヘルム
「ザ・ベスト・オブ・サキ」サキ
「H・A・R・L・I・E」デイヴィッド・ジェロルド
「エンパイア・スター」サミュエル・R・ディレーニ
「ロードマークス」ロジャー・ゼラズニイ
「ハローサマー・グッドバイ」マイケル・コニイ
「老いたる霊長類の星への賛歌」ジェイムズ・ティプトリーJr.

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