前から気になっていた作品が文庫落ちしたので、すかさず購入した。
筒井康隆のストレートなファンタジーである。
文明崩壊後と思われる世界で、主人公のラゴスが様々な国を旅する。
スタニスワフ・レムを想わせる寓話である。
集団によるテレポートなどSF的だが、壁抜け男はお伽話のようである。
全体的に中世のような雰囲気で、アラビアンナイトのような世界だ。
文明批判なのかもしれないが、何を主張したいのか最後まで分からなかった。
ラゴスは何を求めて旅をしていたのだろうか。
最後の方では、むかし知り合った女性を探していたが、それほど深い関わりがあったとも思えない。
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