チャッピー

Chappie: The Art of the Movie「第9地区」の監督によるまたも南アフリカを舞台にしたSF映画である。
悪化する治安を回復するために、警察はロボット警官の導入を決定する。
「ロボコップ」のような設定だが、この映画のテーマは心を持ったロボットと人間の関係である。

ロボット警官を開発した若い科学者は、ロボットが自分で判断して行動出来るようにAIを開発していた。
完成したAIをロボット警官に導入しようとするが、兵器が自分で考える必要はないと社長に断られてしまう。
諦めきれない科学者は、故障中のロボット警官に無断でAIを導入するが、そのロボット警官がギャングに盗まれてしまう。
ギャングたちはロボット警官を強盗に使おうとしたが、生まれたばかりのAIは赤ん坊と同じで何も出来ない。
「チャッピー」と名付けられたロボット警官を、ギャングの妻が子供のように可愛がるようになる。

「ロボットは心を持つか」という問いは、アトムの国に住む日本人には懐かしくさえある問題である。
また、ネットと意識の関係についても、「攻殻機動隊」で語り尽くされた感がある。
この映画の面白いところは、ネットで意識を転送できるけれど、身体のあるロボットだからこそ知能や感情が育つという考え方だ。
それにしても重症を負った科学者を救う、割り切った方法には驚いた。
意識、ネット、ロボットを突き詰めるとそうなるが、実写で見ると少し異様だ。

監督も認めている通り、ロボット警官のデザインはパトレイバーやアップルシードの影響が大きい。
日本のコンテンツは、南アフリカでも人気があるようだ。
アニメと違って、この程度のロボットなら明日にでも実用化されるかもしれない、と感じさせるリアルさがある。

この映画で好きなところは、ピンクや黄色に彩色されたサブマシンガンである。
ギャングを演じるニンジャ(芸名)夫婦は、南アフリカで人気のパンク・ラップ・ミュージシャンのようだ。
彼らの信奉する「危なく、可愛い」という考え方が反映されているらしいが、アンバランスな感じが良い。
また、彼らが根城としている廃墟も、落書きとポップなオブジェがいい味を出している。

巨大なタンク型ロボットは、まさか空を飛ぶとは思わなかった。
当然のように浮上した時は、「飛ぶんかい!」と心のなかでツッコミを入れた。

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