玉村警部補の災難

玉村警部補の災難 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)「チームバチスタの栄光」の海堂尊には珍しいミステリー連作短編集。
警視庁のデジタルハウンド・ドッグ加納警視正の活躍を描くスピンオフである。
お供の玉村警部補を引き連れて、強引な捜査で事件を解決する。

「東京都二十三区外殺人事件」
犯罪が起こった地区によって検視の方法が違い問題を扱った作品。
著者の主張するCTスキャンにより検視「AI」の必要性を援護する話になっている。

「青空迷宮」
巨大迷路から脱出するテレビ番組の撮影中に起きた殺人事件を、加納警視正が強引に解決する。
「青空迷宮」とは、迷路に天井がなく、空が見えるところから来ている。
殺人事件の証拠としてGoogle Earthを使うのは面白い。
そして、ハッタリの使い方が見事である。

「四兆七千億分の一の憂鬱」
DNA鑑定を逆手にとったミステリーである。
イオン加速器まで登場するあたりがSFっぽくて嬉しい。

「エナメルの証言」
死体の歯型偽造の専門家が主人公である。
こんな職業が実際にありそうに思えてくる。
流石は海堂尊、目の付け所が面白い。

全体的に軽いノリのミステリーである。
しかし、それぞれの作品のトリックや視点が面白い。
最先端の科学技術をトリックに利用しながら、過信していないところが良い。

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