光圀伝

光圀伝 (上) (角川文庫)天下の副将軍水戸黄門が諸国を漫遊し、悪い代官を懲らしめる、ような話ではない。
水戸光圀のリアルな一生を、「天地明察」の冲方丁が描く。
ヤンチャな若侍の頃の活躍は楽しく、晩年の葛藤は重苦しくも迫力をもって、緻密な調査と小説ならではの飛躍とを織り交ぜて、秀逸な時代小説となっている。
私にとって冲方丁は、SF作家としてよりも、時代劇作家の方が性に合っているようだ。
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自分再起動

自分再起動「1万円起業」の著者による新しい生き方の提案である。
自分の人生を冒険(クエスト)と捉えることで、退屈だった日常が一変する。
著者自身のクエストを含め、世界中から集めた楽しく、奇妙なクエストが色々と紹介されている。
やってみたくなる楽しそうな計画だ。
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マインドフル・ワーク

マインドフル・ワーク―「瞑想の脳科学」があなたの働き方を変えるアメリカの先進企業で流行っている瞑想のことを「マインドフルネス」と呼ぶらしい。
本書は、マインドフルネスがどのようにしてアメリカで生まれ、企業に受け入れれれていったかの歴史が説明されている。
私としては、マインドフルネスはどのような効果があって、どのような実践すればいいか知りたかっただけなので、歴史についての講釈が長すぎた。
「マクマインドフルネス」と呼ばれるマインドフルネスの商業化に対する反対運動の方が興味深かった。
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Zネーション

Zネーション〈ファースト・シーズン〉 コンプリート・ボックス (7枚組) [DVD]ゾンビのまん延により文明が崩壊した世界で、生き残った人びとが決死のサバイバルを挑む。
というありがちな設定だが、そこはZ級映画の大御所アサイラム、バカバカしさのレベルが違う。
「ウォーキング・デッド」のような重苦しさはなく、くだらないアイディアを惜しみなく詰め込んだSFホラーTVシリーズになっている。
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ヴァンパイア・ハンター

ヴァンパイア・ハンター [DVD]この夏は、テレ東の「午後のロードショー」でZ級映画にハマっていた。
どうしようもない映画が多いのだが、中にはピンポイントで面白いシーンがある作品に出会える。
ハリウッド映画の考えぬかれたフォーマットに沿った映画と違い、ワイルドな楽しさがある。
この「ヴァンパイア・ハンター」も拾いモノだった。
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ヴァルカンの鉄槌

ヴァルカンの鉄鎚 (創元SF文庫)多作だったディックにおいて、日本で翻訳された最後の作品である。
パルプマガジンに書き散らしていた頃の、チープで分かり易いSFだと思う。
ディックにしては珍しく、ビックリするようなどんでん返しがあり、派手なアクションシーンも多い。
哲学的な深みや自己の存在に対する苦悩はないが、楽しめるエンターテイメントになっている。
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やってのける。意思力を使わずに自分を動かす

やってのける ~意志力を使わずに自分を動かす~コロンビア大学心理学博士による、目標を達成する技術の教えである。
自制心だけでは「自分」は動かせない。
目標を達成するには、技術が必要である。
「自分の型」を知るのが成功への近道だ、とする考え方が面白い。
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