ダイナー

ダイナー (ポプラ文庫)どこかにある、殺し屋のためのダイナーを舞台にした犯罪小説である。
小遣い稼ぎの犯罪に失敗したオオバカナコは、怪しいダイナーにウエイトレスとして売られる。
ウエイトレスとして使えなければ店長に殺されるかもしれず、ダイナーの客に気に入られなくても、気に入られて殺される恐れがある。
ダイナーには、危険でエキセントリックな客が次々と訪れる。

冒頭の女性が爪をはがされるシーンで、もう読むのを止めようかと思った。
思いとどまったのは、主人公のオオバカナコの冷静な語り口だった。
無力だけど、どこか達観したような彼女の主観で描かれた小説なので、ハードボイルドな味わいがある。

出てくる殺し屋たちは、全員人間的に崩壊している。
得意とする技は人間離れしており、山田風太郎の忍者モノを読んでいるようだ。

ほとんど狭いダイナーの中で話は展開する。
珍しいタイプのバイオレンス小説、悪漢小説だった。

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