空想教室

好奇心を“天職"に変える空想教室北海道でロケットを作っている小さな会社の社長による著書である。
夢をあきらめないで、実現するための考え方を優しく語っている。
子どもに向けて書いた体裁だが、大人が読んでも十分納得できる。
語られているエピソードは感動的である。
バカな夢はあきらめるように、言われ続けてきた著者の子供時代が背景にある。

著者の工場では、ロケットを開発して、実際に飛ばしている。
大手企業の下請けとして部品を製作しているのではなく、自分のお金で作り、飛ばしているのがスゴい。
世界に3つしかない宇宙開発用の施設も保有している。

著者は、人と違っていても、やりたいことを続けることが重要だと語っている。
言われてことをやっているいるだけでは発展途上国にビジネスを奪われる先進国の人間には、現実的なアドバイスだと思う。

この本は、「思い」を持ち続けるためのアドバイスが詰まっている。
目次としては、以下の通りである。

・思い描く。
・思い込む。
・思いやる。
・思い切る。
・思い続ける。

いくつかの例で、「北斗の拳」や「ガンダム」など日本のマンガやアニメが引き合いに出されている。
同時代の人間として、楽しい選択だ。

こどもだけでなく、新しいことを始めようとする大人にもお勧めできる本だと思う。

大事なのは知恵と工夫です。知恵と工夫で「より良く」を求めたら”高い✕少し”という勝負ができます。これがブランドというものです。
「なにと戦うのか?」が大事なのです。「そこまでする必要はない。余計なことはしなくていい」この言葉に負けた瞬間から”安い✕たくさん”の戦いがはじまります。

いやなことに出会ったらまず「なんでいやだと思うのかな?」と考えます。それが、人を助ける発明のきっかけになります。
考えてみてください。いやな思いをしているのは、自分だけじゃないんです。他にもいっぱい自分と同じように、いやな思いをしている人がいます。だから自分を救うんです。その方法が誰かを救う方法にもなります。

「将来なにになりたいの?」とは聞かないでください。
「将来なにをやりたいの?」と聞いてあげてほしいのです。
ちょっとの違いだけど、全然違います。(中略)
「お医者さんになりたい」だと一本道ですが、「人の命を救いたい」だったら道は無限にあるのです。

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