クリムゾン・ピーク

ギレルモ・デル・トロ クリムゾン・ピーク アート・オブ・ダークネスお待ちかね!ギルモア・デル・トロのゴシック・ホラーだ。
「パシフィック・リム」では日本のSFアニメマニア全開だったが、私としてはダークファンタジー作家としてのデル・トロの方が好きだ。
この映画は、期待に違わず、過剰に美しく、怪しい雰囲気の映画に仕上がっている。

ゴシック・ホラーとは、古い屋敷で女性が幽霊に脅かされるような小説や映画である。
古くは「回転」などがあり、SF版では「エイリアン」がある。
「クリムゾン・ピーク」は、ゴシック・ホラーの王道を行く映画だった。
もっとも、この映画の宣伝では「ゴシック・ロマンス」と言っているが。

アメリカの金持ちの一人娘が、お金目当てのイギリスの貧乏貴族と結婚する。
彼女が夫の故郷であるイギリスの片田舎の屋敷に引っ越すと、幽霊が現れて彼女に警告するようになる。

主人公の女性は、子供の時に死んだ母親の幽霊を見たことがある。
その経験から、幽霊小説の作家を目指している。
そういう背景もあって、彼女は過度に幽霊を恐れることはない。
そして、ホラー映画ではあるが、必ずしも幽霊が悪者ではない。
この辺りは、「デビルズ・バックボーン」に近い。
幽霊たちの造形は、とても恐ろしいのだが。

前半は、アメリカの上流階級の生活が描かれている。
彼らの生活が、とてもイギリス風なことに驚いた。
このような普通のシーンを撮るのも、デル・トロはなかなか巧い。
主人公の2人が、ろうそくを持ったままワルツを踊るシーンが素晴らしい。
しかし、デル・トロには普通の作品を撮る映画監督に成り下がって欲しくないものだ。

そして、クリムゾン・ピークに建つ屋敷である。
屋敷というより城に近い巨大さだ。
その美術たるや圧巻である。
粘土質の地面の上に建つ屋敷は、粘土の中に沈みつつある。
お金がないので屋根の修理も出来ない。
しかし、屋根の穴から入ってくる落ち葉や雪がとても美しい。
そこでの登場人物たちの動きは舞台演劇のようだ。
粘土で赤く染まる雪も禍々しく、怪しい美しさがある。
ストーリーが悪いとは言わないが(ある意味、王道)、この屋敷さえあれば、ストーリーなどどうでも良いと思えてしまう。

ちょっと高いが、この映画のアートブックが欲しくなった。

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