犯罪捜査の心理学

犯罪捜査の心理学―凶悪犯の心理と行動に迫るプロファイリングの最先端 (ワードマップ)犯罪捜査におけるプロファイリングは、「羊たちの沈黙」の頃から興味のあった分野である。
この本は、扇情的な書き方ではなく、学術的な解説になっているので好感が持てる。
捜査手法や犯罪者の行動を分類、構造化している。
常識と異なる知見も多く面白い。

犯罪心理学には次のような下位分野があり、奥深いものらしい。
・犯罪原因論
・捜査心理学
・裁判心理学
・矯正・更生保護の心理学
・防犯心理学
・被害者心理学

また、捜査心理学では次のような研究テーマがある。
・犯罪者のプロファイリング
・地理的プロファイリング
・目撃証言
・取調べ
・人質交渉

映画などで有名なプロファイリングだが、FBI式とリヴァプール式の2つの流れがある。
映画などで有名なのはFBI式プロファイリングである。
FBI式プロファイリングは、「秩序型」と「無秩序型」に分類するカテゴリー分類を基本とする手法である。
しかし、それ故に、カテゴリーに入らない犯罪者を分析できない限界がある。

もうひとつのリヴァプール型プロファイリングは、統計的手法によるプロファイリングで、日本でもこちらが主流なようだ。
リヴァプール型プロファイリングでは、犯罪データを元に空間マッピングや犯行テーマの分析を行い、次の犯罪を予測する。

連続殺人も動機によって分類される。
見ず知らずの他人を対象とする「ストレンジャー型連続殺人」は、志向によって次のように分類される。
・幻覚型連続殺人
・使命型連続殺人
・快楽型連続殺人
・黒い未亡人型連続殺人
・死の天使型連続殺人

それぞれの手法や分類に、想像を掻き立てる名称が使われていた面白い。

心理学や精神医学の専門家が自らの専門的な知識を根拠として犯人像を推測しようとした最初の試みは、ロンドンで発生した「切り裂きジャック」事件である。

動物虐待、児童期の放火、夜尿症はマクドナルドの3要素と呼ばれ、将来の問題行動を予測する重要な要素だと考えれれている。これらの要素は何らかの脳機能障害を反映していると考えられている。

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