ポジティブ心理学 21世紀の心理学の可能性

ポジティブ心理学―21世紀の心理学の可能性ポジティブ心理学の最新動向を知りたくて、大学で使われる教科書的な本を読んでみた。
しかし、最新のトピックというよりも周辺情報が多くて、期待していたものとは違った。
学問の世界でも、新しいトレンドは、色々と軋轢を生むようだ。

病気を治すのではなく、人間の持つ良い面を伸ばすのがポジティブ心理学の目的である。
治療を目的とした従来の心理学とは方向性が違う。

「人間性心理学」という同じような傾向の分野が元々存在しており、似ているが故にお互いを批判している。
人間性心理学は、人間の経験や価値、意図と意味に焦点を当てて研究している。
ポジティブ心理学側からは、人間性心理学の方法が科学的ではないと批判しており、人間性心理学側はそれに対し激しく反発している。

ポジティブ心理学には、現在解決しなければならない2つの課題があるという。
民族政治紛争の解決と建設的な特質の育成である。
前者については、この分野の対象としては違和感がある。

本書では、以下のようなテーマを幅広く扱っている。
・フロー体験
・ポジティブな感情認知と心理的・生理的影響
・文化によるWell-Beingの違い
・ポジティブな特性としての人徳の日米比較
・ポジティブと人徳
・ポジティブと教育
・老年期のポジティブ心理学

セリグマンがこうした考えに到達したのは、セリグマン自身の個人的な体験からであり、彼がアメリカ心理学会の会長に選ばれた数ヶ月後に、彼の5歳になる娘ニッキーが示してくれたことに負うているという(ニッキーの原則)。すなわち、セリグマンは、ニッキーから、5歳になった時、それまでのようにメソメソ泣くのはやめようと決心し、とても難しかったけれどそれをやり遂げたことを聞いたい。ニッキーはそれを誰かから修正されたのではなく、自分の弱点を治すことを自分で決めて増幅したり緩和したり育てたりしながら、実行したことを知る。人間の強さにこそ焦点を当て、それを頼りにものごとを進めることの重要さであり、それは、学問としての心理学にも心理学の実践においても極めて重要なことだったというわけである。

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