アムンセンとスコット

アムンセンとスコット―南極点への到達に賭ける人類初の南極点到達に向けた世紀の大レース。
それはアムンセン率いるノルウェー隊とスコットのイギリス隊による熾烈な闘いだった。
それぞれのリーダーの気質の違いが、勝負の結果を決めた。
極限状況での冒険を描く、興味深く、感動的なノンフィクションである。

アムンセンは、子供の頃から極地での探検を夢見ていた。
そのために、自分なりの訓練を重ね、準備を重ねて来た。
南極点を目指すにあたり、過去の事例を研究し、エスキモー達の知恵を取り入れ、現地でも創意工夫による改善を忘れなかった。

スコットは海軍出身であり、任命により南極点を目指すことになった。
とても立派な人物なのだが、精神論に偏っているところがある。

この本を読んでいると、著者がアムンセンに好意的な描き方をしているように思えてくる。
当時はスコット寄りの報道が多く、その反動でアムンセンの素晴らしさを伝えようとしているのかもしれない。

南極点は誰も行ったことのない世界である。
飛行機での計測も出来ない時代なので、何日分の食糧が必要かも正確には分からない。
そこに犬ぞりや馬、人力だけで向かおうというのだから、恐るべき冒険心だ。

アムンセンの計画は冷徹で合理的だった。
そりを引く犬さえも食糧としてしまう計画なのだ。
結果として、アムンセンが勝利を掴むことになる。

対して、スコットの計画には甘さが目立つ。
そして、彼の隊は全滅することになってしまう。
しかし、スコットの冷静な死に様は感動的である。
隣で死んでいく隊員の妻や母親宛の手紙を書いてから死んでいくのだ。

以来、アムンセンは酷寒の地への旅立ちにそなえて、体力づくりやスキー技術習得にはげんだ。真冬でも寝室の窓をあけっぱなしにして、寒さに耐えるように身体をきたえたので、母親はたいへん心配して注意したが、アムンセンは「新鮮な空気が好きだから」といいわけをしていた。

さらにスコットは、妻にあてた手紙の最後をこう結んだ。
「家にいて安楽すぎる暮らしを送るよりも、はるかにましだった」

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