「20歳のときに知っておきたかったこと」がベストセラーになった、起業家教育の第一人者による3冊目の本である。
基本理論である「インベンション・サイクル」は、今ひとつピンと来なかった。
しかし、情熱を持つためには、まずは「どっぷり浸かる」しかない、というのは面白い視点だ。
「20歳のときに知っておきたかったこと」では起業家的な心構え、「未来を発明するために今できること」では問題解決のツールがテーマだった。
本書では、ひらめきを形にするための明確なロードマップが提示されている。
本書の中心になるのは「インベンション・サイクル」である。
ひらめきを事業にするためには、想像力、クリエイティビティ、イノベーション、起業家精神というサイクルが必要になる、という理論だ。
「想像力」とは、存在しないものをイメージする力である。
好奇心を持って、とことんやってみることで想像力は養われる。
「クリエイティビティ」は、想像力を駆使して、課題を解決する。
「イノベーション」は、クリエイティビティを発揮して、ユニークな解決策を生み出す。
ここで生み出される解決策は、世界にとって斬新なアイディアである。
「起業家精神」は、ユニークなアイディアを現実の形にする。
紹介される事例は面白く、楽しく読める本なのだが、この基本理論は、分かるような分からないような、しっくりとこない感じである。
各章の最後にある課題を着実にこなせば、腹に落ちるのかもしれない。
スコット・ハリソンの物語から学べる大切な教訓が2つあります。第一に、情熱は後からついてくるものであって、やってみるのが先だということです。実際に経験してみると、想像力が刺激され、自分はこうしたい、こうありたいといった最高のビジョンが天命だと思えたわけですが、そこに至るまでには何の予備知識もありませんでした。それは、誰しもおなじではないでしょうか。第二の教訓は、人生の舞台を決めるのは、私たち一人ひとりだということです。選択肢は無数にあり、どれを選ぶかは自分次第なのです。
私はこう返しました。「そこがポイントです。イノベーションはハードワークです、独創的なアイディアを生み出すには粘り強さが必要なのです」。そもそもハードな課題なのだとわかると、ほとんどのチームが本気を出し、産みの苦しみを乗り越えて100個以上のアイディアを出してきました。
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