エンデの遺言

エンデの遺言 ―根源からお金を問うこと (講談社+α文庫)「はてしない物語」「モモ」で有名なドイツのファンタジー作家であるミヒャエル・エンデが最後に残したインタビューを元にした本です。
彼の遺言は、お金に関することだった。
現在のお金の仕組みが、現代の不平等と経済の行き詰まりの元凶である。
これを変えるべきだというのが彼の主張である。

物質的なモノに比べ、お金は劣化せず、維持にコストがかからない。
故にお金を持つものは有利になり、貸す場合には利子が発生する。
お金を持っていることが有利なので、使わず持ち続けることが多くなり、経済が回らなくなる。

これを解決するには、お金を老化させるしかない。
これが19世紀の忘れられた思想家ゲゼルの考え方であり、エンデはこの考え方を支持している。
考え方としては面白いが、実生活にどのような影響があるかイメージできない。

しかし、実際にゲゼルの思想を元にお金を運用している例が世界中にあるようだ。
ひとつの事例がスタンプ貨幣だ。
スタンプ貨幣は、毎月有料のスタンプを貼り続けないとお金として使えなくなってしまう。
維持にコストがかかるお金である。
だから、人々はすぐにお金を使い、その結果として経済が回る。
実際に、地域経済が向上している例もあるようだ。

お金の95%が実体経済と関係なく動いている現代では、お金についての考え方を変えるべきかもしれない。

その結果、のちに詳述しますが、新しい雇用が生まれ失業者は職を得、経済は活気を取り戻しました。貯めこまずにすばやく流通するお金が、経済活動を何倍にも大きくしたのです、周辺の町でもヴェルグルの成功を見て、老化するお金の採用を検討しはじめました。しかし、オーストリア政府は紙幣の発行は国の独占的な権利であるとして、町長ウンターグッゲンベルガーを国家反逆罪で起訴し、このお金を回収しました。

経済評論家の内藤克人は、「多元的経済社会」というコンセプトを提示しています。つまり、利潤追求と競争を基本原理とする企業は、社会が必要なものすべてを提供できず、それとは別の連帯や協同を行動原理とする経済の営みが必要である。そうした競争セクターと共生セクターが併存するような多元的経済社会をこそ、私たちはめざすべきであるというものです。

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