ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子

ON 異常犯罪捜査官 藤堂比奈子 DVD-BOX久々に面白いテレビドラマだった。
脚本や撮影がスゴいわけではないのだが、女刑事の設定とそれを演じる波留の演技が良い。
これに尽きる。
原作も読んでみたのだが、女刑事のキャラクターが全く違うのに驚いた。
この設定はテレビドラマオリジナルのものだったようだ。

「猟奇犯罪捜査班」と銘打っているが、猟奇殺人そのものはたいしたことがない。
「羊たちの沈黙」や、その元になってる事件から持って来たようなものもあり、インパクトに欠ける。
「クリミナル・マインド」等で、こちらが麻痺しているのかもしれないが。
ただ、催眠では自殺させられない、という有名なルールの裏をかく方法は面白かった。

波留演じる新人女刑事は、可愛いけれど変わった女の子である。
故郷の名産の七味唐辛子を何にでもかける。
ココアに入れて、まわりを呆れさせる。
しかし、これは「初頭効果」を狙っているのではないか、とカウンセラーに言われるシーンがある。
はじめに不思議な女の子というイメージを相手に植えつけることで、多少変わった行動をしても疑問に思われなくなる。
彼女がそれを狙ったのかは明らかにされないが、そう疑われるだけの理由がある。

彼女は殺人犯の殺人衝動が「ON」になる瞬間を見たいと望んでいる。
だから、自身の危険も顧みず、犯人と一対一の状況を作って相手を追い込む。

実は彼女は感情を持っていない。
子供のころから感情の無かった彼女は、父親から「いつかおまえは人殺しになる」と言われる。
だから、彼女は殺人犯と自分の違いを知りたくて、殺人犯を追いかける。
そして、彼女は、殺人犯側に行ってしまいそうな危うさがあり、それがこのドラマに緊張感を生んでいる。

彼女は部屋を出る時に感情を演じるスイッチを「ON」にする。
感情のない、人間離れした女性の雰囲気を波留が上手く演じている。
彼女に思いを寄せるカウンセラーとの関係が、彼女に感情が無いだけに、とても切ない。

最後のラスボスが今ひとつだったが、この頃では珍しい意欲的なドラマだった。

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