大学で使う専門的なテキストではあるが、この分野の本は妙に読み易い。
犯罪を傾向で分類し、その事例を紹介している。
著者が日本人なので、事例もニュースで見たことのある日本の事件である。
サイコパス系の小説を読む時の良いガイドになりそう。
本書では、以下の構成で解説している。
- 連続殺人
- 女性による連続殺人
- 大量殺人
- テロリズム
- 子どもに対する性犯罪
- レイプ
- ストーキング
- ドメスティックバイオレンス
- 放火
- プロファイリング
- 虚偽検出
- 目撃証言
- 映画で学ぶ犯罪心理学
女性による連続殺人の事例としては、富士見市の結婚詐欺殺人である木嶋佳苗事件が、ストーキングの事例としては、桶川女子大生ストーカー殺人事件が、プロファイリングの事例としては、神戸連続児童殺傷事件が紹介されている。
近所で発生した事件やテレビで見た時間なので、とてもリアルに感じる。
事後に入ってきた情報が記憶に混入することがあり、極端な場合はフォールスメモリーと呼ばれ、実際に体験していない出来事の記憶が作られてしまう。
このような現象により、目撃証言の証拠能力が疑われることがあるようだ。
虚偽検出のひとつである連想検査を提唱したのがユングだというのは、ちょっとしたトリビアである。
犯罪に関する周辺情報も興味深い本である。
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