へんな細菌すごい細菌

人を助けるへんな細菌すごい細菌―ココまで進んだ細菌利用 (知りたい!サイエンス)毎週楽しく聴いている「ボイニッチの科学者」というポッドキャストのメインパーソナリティであるオビオさんの著書である。
多岐にわたる科学分野に知識のある著者だが、本職は企業内での研究らしい。
医療分野の企業なので、きっと細菌に近い分野を研究しているのだろう。
この本を読むと、いかに幅広い分野で細菌が利用されているか、驚くばかりである。

目に見えないので普段は気にしないが、地球上には莫大な量の細菌が生息している。
人間の皮膚の表面や胃の中にも居るし、大気中や土の中、海中の火山のそばの高熱の環境でも生活している。

腸内細菌の構成が人間の健康に影響を与えている。
アレルギー反応やガンの抑制にも細菌は有効であるという研究もある
ひょっとしたら、人間の食生活は、腸内細菌に左右されているかもしれない。

日本伝統の「藍染」は細菌なしでは出来ないし、化粧品を作るにも、環境に優しいプラスチックを作るにも細菌が利用されているらしい。
納豆をはじめとする発酵食品には当然必要で、世界中の国々で、古来から細菌を使った食品が工夫されている。

とにかく、細菌の凄さを堪能できる1冊であった。

腸内に生息している細胞は糞便となって体外に放出されますが、糞便1グラムの中には、なんと1兆個もの細菌が含まれています。糞便というと食べ物のかすというイメージがありますが、むしろ正確には菌団子です。
糞便重量から細菌数を概算すると、腸内には100兆個から1,000兆個の細胞がいることになります。
人間の体が60兆〜100兆個の細胞でできていることを考えると、腸内で生活している細胞の数は、人間全体を構成する細胞数よりもはるかに多いということになります。

アブラムシの腸内細菌が宿主の食事をコントロールしている例が報告されていることから、腸内細菌が人間の行動に影響を与えている可能性はあります。

このように海洋海底下の超高温環境で独特の細菌群が生態系を構成している環境を「超高熱性地殻内独立栄養微生物生態系」といい、英語の頭文字をとって「ハイパースライム」と呼んでいます。
ハイパースライムを形成する細菌は、地球で最初の生命活動の姿であると予想されると同時に、地球以外の惑星にも存在し得る可能性が最も高いと考えられる生命形態と考えられています。

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