クマにあったらどうするか

クマにあったらどうするか: アイヌ民族最後の狩人 姉崎等 (ちくま文庫)最もクマを多く狩ったと言われるアイヌのクマ狩人による、クマ狩りとクマ対策についての対談である。
ひとりで山をい歩いている時に、クマの姿を見たことがある(気がする)ので、私にとっても切実な問題である。
本書で勧められている方法を実行する度胸があるかが問題だ。

結論から言うと、本書で勧められているクマ対策は以下の通り。

【まず予防のため】
1.ペットボトルを歩きながら押してペコペコ鳴らす。
2.または、木を細い棒で縦に叩いて音を立てる。

【もしクマに出会ったら】
1.背中を見せて走って逃げない。
2.大声を出す。
3.じっと立っているだけでもよい。その場合、身体を大きく揺り動かさない。
4.腰を抜かしてもよいから動かない。
5.にらめっこで根くらべ。
6.子連れグマに出会ったら子グマを見ないで親だけを見ながら静かに後ずさり
(その前に母グマからのバーンと地面を叩く警戒音に気をつけていて、もしもその音を聞いたら、その場をすみやかに立ち去る)。
7.ベルトをヘビのように揺らしたり、釣り竿をヒューヒュー音を立てるようにしたり、柴を振りまわす。
8.柴を引きずって静かに離れる(尖った棒で突かない)。

数十年熊狩りをしていた人の話なので信憑性がある。
でも、実行するにはハードルが高い。

アイヌの生活・神話や猟師の生活の話も興味深い。
特に、最低限の食糧だけ持って山にこもる猟師の山の中での過ごし方には憧れる。

クマというのは人間より歩くのが達者で、地形の選び方も優れています。「なるほどこうやって歩くと人間が考えて歩くよりずっと合理的で楽だ」ということを何回もクマから学びとったのです。

そういうしばれの強いところでは、長靴の中の水を抜かないでドボドボッと長靴の中で水がたまっていても、そのまま歩くと、水が靴の中で温かくなってくるんですよ。足が重い軽いの理屈でなく生きようという信念でやるんです。
水分をガチッと搾り取ってしまうと中ですぐに凍るんですよ。そして凍傷になって歩けなくなるんです。

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