ゴッド・ガン

ゴッド・ガン (ハヤカワ文庫 SF ヘ)ワイドスクリーン・バロックの巨匠ベイリーによる短編集。
ワイドスクリーン・バロックは1980年代のサイバー・パンクのムーブメントだから、40年近く前に一世を風靡した作家だ。
膨大な知識に裏打ちされたホラ話は、この本でも健在だった。

表題作の「ゴット・ガン」は、神を撃ち殺す兵器を作ったマッド・サイエンティストの話である。
発想はバカバカしいが、ウンチクの連続で強引な説得力がある。
ただの妄想と紙一重だが、読ませる。

「大きな音」では、最大の力で演奏された音は、結晶化し、コミュニケーションの手段となる。
「地底潜艦<インターステイス>」では、地球の地中を潜航する特殊な船が、地中の様々な文明に出会う冒険譚である。
「ロモー博士の島」は、当然「モロー博士の島」のパロディなのだが、ここでは性的快楽の限界に挑む。
「ブレインレース」は、医療技術に優れた異星人とのコンタクトが描かれている。
彼らのゲームであるブレインレースで、頭の中から脳が走り出す姿は、是非とも映像化して欲しいものだ。

期待に違わず、どれも楽しいホラ話だった。

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