1835年に書かれた自己鍛錬書の古典である。
よく知られていることが多いが、こちらがオリジナルなのだろう。
観念的な話だけでななく、日々実践できるノウハウも紹介されている。
本書は、次のような構成になっている。
・習慣
・集中力と記憶力
・読書法
・時間活用法
・話し方と交際術
・強健な心身づくり
「いい習慣を作ればつかれないで生きられる」というのがひとつめの主張である。
日々のささやかな努力が重要である。
同じ時間に同じ仕事を繰り返すことで、楽にやれるようになる。
前もって計画することで、驚くほど多くのことが成し遂げられる。
朝早く起きるためには、夜は早く寝る。
10時に消灯して、5時に起床する。
読書、会話、作文は入念に行う。
「集中力・記憶力をアップする方法」では、10冊の本を読むよりも1冊の本をマスターすることを薦めている。
記憶するためには、復習の積み重ねが重要である。
勉強の対象を変えることで、鮮度を保ち、集中力を持続させることができる。
「読書法」では、本を選ぶことを薦めている。
本の中で、主題を展開している部分を読んでみると、自分に合った本か判断できる。
また、本を読んだ後の考察に、読書の時間の1/4をかけるべきとしている。
「時間活用法」では、無駄な時間の活用法が紹介されている。
また、1日の最後に、何を成し遂げ方を反省する。
「話し方・交際術」では、相手の弱点をつかない、自分の業績は口にしない、など実践的なアドバイスがある。
「強健な心身づくり」では、「運動をしなければ未来を棒に振る」とまで言っている。
運動は、毎日、楽しんで行うのが重要である。
さて、目次をさらに検討する前に中身を味わってみたくなったら、重要な主題が述べられている箇所をひらいて、それがどう展開されているか見てみるのだ。
そうしてためしに読んでみた結果、もしその著者は面白味がなく、衒学的で浅薄だと感じたら、何もそれ以上読む価値はない。
とても得るところはないだろうし、あったとしてもささやかなものにすぎないだろう。
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