結物語

結物語 (講談社BOX)「化物語」オフシーズン・シリーズの最終巻は、久しぶりに阿良々木くんが主人公だった。
就職した彼は、故郷に戻って来たのだ。
彼が選んだ職業は、やはりと言うか、警察官だった。
個性的な同僚たちに囲まれ、今までとは違う雰囲気の話になっている。
そうは言っても、少し歳を取ったレギュラーメンバーもちゃんと登場する。
やはり西尾維新は面白い。

西尾維新の本のレビューに関しては、ネタバレを避けるのは諦めた。
ネタバレせずに彼の小説の面白さを伝えるのは、難易度が高過ぎるからだ。
だから、未読の人は、これから先は読まない方が良い。

警察のキャリアとして研修のため地元に帰って来た阿良々木暦が配属されたのは、直江津署風説課だった。
風説を管理し怪異になる前に叩き潰す、臥煙さんの陰謀によって作られた組織である。

そこにいる同僚たちは、ほぼ人間ではない。
不死の人魚、人狼の末裔、ゴーレムと阿良々木くんの生活では、怪異が日常になってしまっている。
それぞれの同僚を紹介する形で、各章が構成されている。
1冊では勿体無いくらいの新キャラの大盤振る舞いである。

昔からのキャラも登場するが、状況はかなり変わっている。
高校を卒業後、大学も卒業して就職したのだから、4年以上の歳月が流れている。
それにしても羽川翼の変わりようは驚きである。
世界を見に行った彼女は、平和活動でも恐ろしい能力を発揮し、国境を消しゴムのように消してしまう重要人物となっていた。
やっていることは平和活動だが、各国からの扱いは最も危険なテロリストに近い。
でも、本人自体は全く変わっていないように見える。

そして、満を持して戦場ヶ原ひたぎの登場である。
高校卒業後、阿良々木暦とは何度も分かれて、よりを戻しているようだ。
この本でも最後に盛大なケンカが待っている。
2人のケンカの結末次第で、次巻以降の展開が変わって来るのだろう。

本巻をもってオフシーズンは終了するが、やはり次巻から新シリーズが始まるらしい。
次は刑事モノなのか?

栞が八九寺真宵の「おみくじ」なのが良い。
神さまになっても、彼女のノリは変わっていない。

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