エコープラクシア

エコープラクシア 反響動作〈上〉 (創元SF文庫)信仰に基づくハードSF、らしい。
最新のSFであるせいか、読んでいても状況をイメージするのが難しい。
何が起こっているのかよく分からないのだ。
科学の力で蘇った吸血鬼や複数の頭脳が繋がった超知性など、ガジェットは面白いのだが、話が頭に入ってこない。
ちなみに「ブラインド・サイト」の続編である。

砂漠でフィールドワークをしていた生物学者のダニエルは、軍用ゾンビに襲われ、新興宗教の建物に逃げ込む。
このカルト教団は、多くの人間の頭脳を繋げることで、人間とはレベルの違う知性を持つ集団であり、個人には意味がない、人類とは別種の生命となっていた。
ダニエルは、建物から発射した宇宙船で、太陽付近のイカロス衛星網に向かうことになる。
そこには、異星知性体と接触後に消息を断った宇宙船<テーセウス>の秘密があるという。
しかし、宇宙船の中では、人類に復活させられて吸血鬼が不穏な動きをしていた。

科学の力で蘇った吸血鬼は、獲物である人間に対して圧倒的な優位性がある。
しかし、十字架を想わせる直線の組み合わせを見ることは、精神的に耐えられない。
など、面白いアイディアが散りばめれれているのだが、話の流れが掴めなかった。

巻末の解説を読んで、やっと何が起こっていたか理解できた。

科学と信仰の違いは、それゆえ、預言力の違いにほかならない。科学的洞察力は霊的洞察力よりも、少なくとも世俗の事項について、預言の的中率が高い。科学が優先されるのはそれが真実だからではなく、”使える”からなのだ。

ネットワークは最低限の複雑性の閾値を超えると自我に目覚めるが、大きくなりすぎると信号の遅延で同時性が減衰してノイズになり、自我はその巨大さの中に分解して、ふたたび眠り込んでしまう。

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