お金の増やし方・守り方

教科書にないお金の増やし方・守り方~行動経済学で解決する50のムダづかい行動経済学の知見を使って、お金を増やす習慣を作ろう、悪い業者に騙されないようにしよう、という本である。
行動経済学の本は結構読んでいるので、知っていることが多かったが、貯金と保険の役割の違いなどは、とてもためになった。

人間の判断についての不合理な癖を利用した巧妙なマーケティング手法が、いかに日常に組み込まれているかを知ると驚くばかりである。
「返品自由」とするだけで、テレビショッピングの売り上げが20%以上向上するが、実際に返品があるのは2%程度のようだ。
この率ならば、やらない理由はない。

一度買ってしまった株の価値は、買った時の価格を基準に考えてしまうが、市場での価格がその株の価値であり、自分が買った時の価格は何の関係もない。
一番良いのは、買った瞬間に、買った価格を忘れてしまうことだ。
その株の本来の価値が市場の評価よりも高いと思えば買い、安いと思えば売ればいいのだ。
言われてみれば、その通りである。

保険と貯金の役割分担は勉強になった。
保険は、予想がつかない大きな支出に対して備えるもので、リスクが高い確率で予想される場合は、保険料は高くなる。
予想できる支出に対しては、貯金で対応するのが正しい方法である。
なるほど。

つまり起きる頻度の高いものは保険料が高く、そうでないものは保険料が安いということですから、頻度は低いけれど起きたら金額の大きくかかるものは保険、逆の場合は貯蓄でまかなうというのが合理的な判断のはずです。だとすれば、「齢をとって高まる病気のリスク」に備えるのは保険ではなく貯蓄のほうが適切です。

したがって、予測できることであれば保険よりも貯蓄で備えてほうが賢明です。
たとえば学資保険などは不要です。学資というのは予期せぬことではなく、子どもが生まれたときからいつ必要になるかがわかっているからです。
また老後の資金も同様です。人間は必ず年を取るし、60歳になれば退職して収入がなくなることもわかっていますから、老後の備えは保険ではなく貯蓄で準備するのが基本です。

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