ヨハネスブルグの天使たち

ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワ文庫JA)この頃気に入っている日本のSF作家宮内 悠介の短編集である。
舞台は近未来の世界の都市。
場所も登場人物もそれぞれ異なるが、共通するのはアンドロイドが落ちていくこと。
不思議な短編集だった。

「ヨハネスブルグの天使たち」
内戦で荒廃したヨハネスブルグで、戦災孤児は、盗んだ軍事物資を売りさばいて生きていた。
そんな彼らは、毎日ビルから落下するアンドロイドを捕獲しようとするが・・・

「ロワーサイドの幽霊たち」
9.11の悪夢を繰り返し生きる幽霊たち。

「ジャララバードの兵士たち」
紛争地帯を彷徨うジャーナリストが巻き込まれた殺人事件は、恐ろしい陰謀が隠されていた。

「ハドラマウトの道化たち」
テロリストのボスを探すアメリカ兵は、ボスの出自とアンドロイドの関係を知る。

「北東京の子供たち」
世紀末の東京では、アンドロイドを使った危険な遊ぼが密かに流行していた。

全体を通して空虚で退廃的な雰囲にに貫かれている。
それぞれの街で生きる人々と、日本製の玩具人形ロボットが結び付く。
不思議な短編集である。
なぜ、このような小説を書いたのだろう。
まず、空から降り続けるアンドロイドの絵が心の中にあったのだろう。

「我々は、DXに人格を転写してから自爆攻撃をしかける」
と、男たちの一人が重々しく口を開いた。
彼が言うには、自爆攻撃によってオリジナルの人間は世を去り、DX9のみが残される。そしてタヒルもその慣例に従った。この機体は、間違いなくタヒルなのであると。
「わからんな」とアキトは腕を組む。「自爆攻撃なら、最初からDXにやれせればいい」
「それでは神に近づけない」

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