絵で見てわかるIoT/センサの仕組みと活用

絵で見てわかるIoT/センサの仕組みと活用すべてのモノがネットワークに繋がる、いわゆるIoTの世界も現実のものとなってきた。
本書では、IoTに関わる技術を総合的に解説している。
「絵で見てわかる」というと素人向けのようだが、なかなか専門的な解説も多くてためになる。
技術要素の構造化の仕方が巧いので、とてもわかり易かった。
この分野の仕事をしたくなる。

IoTのアーキテクチャをデバイス、ゲートウェイ、サーバの3階層に分けて解説している。
デバイスとは各種センサーやスマートフォン、ネットワーク家電等である。
サーバは、主にクラウドになるのだが、デバイスで収集したデータの解析を行う。
デバイスとサーバの中間に位置するのがゲートウェイである。
デバイスからの通信を集約して、サーバとのやり取りを中継する。
デバイスの数が膨大になるIoTの世界では、ゲートウェイが重要になってくる。
IoTの世界では、このような構成が主流だとは知らなかった。

IoTで使われる通信プロトコルについての解説もあり、なかなか専門的である。
インターネットの世界で標準であるHTTPが使われるのは勿論だが、信頼性の低い環境でも利用できるMQTTというプロトコルが使われているようだ。
パソコンよりも遥かに性能の低いデバイスに合ったプロトコルのようで、その仕組みの説明を読むと納得できる。
また、DBMSについてはRDB以外はないだろうと思っていたが、拡張性の高さでキーバリューストアが注目されているとは知らなかった。
デバイスの数が爆発的に増えるIoTの世界では、RDBよりも水平分散に強いキーバリューストアに強みがあるらしい。
このように、入門書とは思えないレベルで各種の要素技術が解説されている。
それも、全体構成を踏まえて、豊富な事例を使って説明しているので分かり易い。

各種センサ技術の仕組みを理解できるのも楽しい。
画像情報は三原色であるRGBで表現されているのは知っていたが、近頃は、それに距離を加えたRGB-Dとなっているようだ。
距離の計測は、人間と同じように視差を利用する方法やレーザー測量以外にも、ドットパターンを投影して、その見え方を解析する方法もある。

オマケに、電子工作の基本も学べるお得な本である。
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