マインドハンター

マインドハンター──FBI連続殺人プロファイリング班 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)連続殺人犯のプロファイルを元に捜査を行うFBIの行動科学課の誕生を、関係者が語ったノンフィクションである。
行動科学課は、映画「羊たちの沈黙」やTVドラマ「クリミナル・マインド」でも有名な部署である。
実際の事件の解決に至る経緯は興味深いが、読み物としてはメリハリに欠ける気がする。

行動科学課誕生の背景には、動機不明な犯罪の増加があった。
犯罪は、金銭目当てや怨恨によるものが普通だったが、それが当てはまらない犯罪が増加してきた。
そのような犯罪のパターンを分析し、犯罪者をプロファイリングすることで、犯人逮捕を目指すのが行動科学課の目的である。
そのために、収監されている凶悪犯罪者にインタビューを行い、犯行の動機や背景の情報を収集・分析する。
ただ「気違い」として切り捨てるのではなく、彼らなりの論理を理解する。

この新し方法論は、現場の捜査官から反発を受けるが、有効性が証明されると、次々と協力依頼が舞い込むことになる。
FBI内部の圧力や、マスコミのミスリードに苦しめられながらも、有効な組織として認めれれるまでの苦闘が語られている。

とても面白いテーマなのだが、章立てが少し単調で、ドラマ性に欠ける。
ノンフィクションだから仕方ない面もあるが犯罪捜査と解決の羅列に感じられて、それぞれの事件が記憶に残らないのが残念である。

ちなみに、本書を原作にしたTVドラマがNetfliexで公開された。
デビット・フィンチャー監督だけあって、センセーショナルな見せ方に走らず、渋い作りだった。
エンディングに当時のヒット曲を持ってくるセンスも良い。
ただ、後半は、メンバーの家族問題などに多くの時間を割くようになり、主題がブレて来てしまった。
シーズン2を制作中らしいので、方向が修正されることを期待する。

刑事犯罪現場分析官は、共通点のない無関係のようにみえる手掛かりを 集め、首尾一貫した物語を作りあげ ねばならない。 だから、物語を話す能力は重要な才能であり、殺人事件の捜査にあたる場合には、被害者が 自分のことを話せないので、とりわけそういうことがいえる。

われわれは後に気づくことになるが、小動物に対する残虐行為が子供のときにあらわれるのは「殺人犯への三要素」の重要な一つである。因みに、正常な年齢を越えてからも夜尿症がつづくこと、そして放火癖がその他の要素である。

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