アイザック・アシモフは、いま読んでも十分に面白いことが分かって良かった。
アシモフの短編集である本書を読むと、SFのアイディア、サスペンス、人間心理を見事にミックスして、上質なエンターテイメントに仕上げていることがよく分かる。
クラークほどの専門性はないかもしれないが、読ませる物語を書く卓越した才能がある故に、古典となっても楽しませてくれる。
続きを読む 夜来る
月別アーカイブ: 2017年11月
スキャナーに生きがいはない
コードウェイナー・スミスによる「人類補完機構」シリーズの短編集である。
コードウェイナー・スミスはあまり読んでいなかったので、今回のKindleセールで読んでみることにした。
残念ながら、この未来史シリーズは、私の趣味には合わなかった。
ちゃんと読まなかったせいか、結局、「人類補完機構」とは何か、分からずに終わってしまった。
そう言えば、むかし読んだ同シリーズの「ノーストリリア」も、よく分からなかった。
続きを読む スキャナーに生きがいはない
小さな習慣
絶対失敗しない、バカバカしいくらい小さな習慣を目標とすれば、必ずうまくいく。
この本の主張は、これだけである。
その主張の根拠となる著者の経験や心理学の研究が紹介されている。
確かに、この方法ならうまくいく気がする。
続きを読む 小さな習慣
ゴーストスナイパー
事故で首から下が動かせなくなってしまった元鑑識のリンカーン・ライムが活躍する人気サスペンス・シリーズ。
本作では、ライムの手術が成功し、ある程度までは身体の自由が効くようになった。
しかし、犯罪の現場は海外。
ニューヨークに拠点を構えるライムにとっては、難しい事件だった。
続きを読む ゴーストスナイパー
実践ポジティブ心理学
心のあり方についての斬新な仮説「脳はなぜ『心』を作ったか」の作者によるポジティブ心理学の紹介である。
著者は、ロボット工学の専門家だったが、進化心理学からポジティブ心理学まで幅広い分野を対象としている。
続きを読む 実践ポジティブ心理学
虚ろなる十月の夜に
巻末の訳者あとがきにあるように「さて、諸君。ロジャー・ゼラズニイである。」である。
ゼラズニイがまだ生きていたのか!と思ったが、そうではなく本書は未訳だった遺作を初めて翻訳し、日本で出版したもののようだ。
SF界のメジャーな賞を何度も受賞したゼラズニイが、遺作となる本書で選んだネタは、クトゥルーである。
これは読まないわけにはいかない。
続きを読む 虚ろなる十月の夜に
昆虫こわい
「昆虫こわい」の「こわい」は、落語の「まんじゅうこわい」的な意味の「こわい」である。
本当は大好きだけど、「こわい」と言っておいて方が相手が寄ってくるかもしれない、という期待を込めた言い方なのだ。
昆虫バカの昆虫博士が、世界中で昆虫採集をしている様子が楽しげに語られている。
続きを読む 昆虫こわい
IT/イット “それ”が見えたら、終わり。
なんで今頃?と思うキング初期大作の再映像化である。
一度TV版ミニシリーズとして映像化されており、これも面白かった。
映画版は、舞台が1980年代に変更されており、アメリカでは大ヒットしたようだ。
映像としてはよく出来ているのだが、私としてはTV版の方が好きだ。
映画版は、まだ少年編だけであり、私は、少年編を受けての大人編が好きだからかもしれない。
続きを読む IT/イット “それ”が見えたら、終わり。