ダークタワー映画版

ダーク・タワー1 ガンスリンガー (新潮文庫)スティーヴン・キングの有名なファンタジーの映像化である。
原作は、6巻くらいはあったと思う。
私も、2回はチャレンジしたのだが、3巻くらいまでしか読み切れなかった。
何とも世界観とそのイメージを掴みづらい小説なのだ。
あの大作をどうやって1本の映画にするのかと思ったら、全く違う話になっていた。
これはこれで、シンプルで分かり易い。
だが、あまりインパクトがなく、無難な映画に仕上がってしまった気がする。

ニューヨークに住むジェイク少年は、毎晩不思議な悪夢に悩まされていた。
子供たちが偽の皮を被った男たちによって、機械に繋がれ、その機械から発する電光が黒い塔を直撃している。
心配した母親は、彼を施設に入れようとするが、彼を引き取りに来た職員は、偽の皮を被った男だった。
逃げ出したジェイクは、夢の中で見た建物を発見し、建物の中にあったゲートを通って、夢の中で見た世界に入り込む。
ジェイクは、そこで暗黒の塔を守るガンマン「ガンスリンガー」と出会う。

結局、原作の1巻のキャラクターしか登場しなかった。
車椅子の女狂戦士などの、尖ったキャラが出てこなかったのが残念である。

驚いたのは、「シャイニング」が前面に出ていたことだ。
「シャイニング」とは、キングの世界での超能力のことであり、お化け屋敷小説「シャイニング」でダニー少年の力として語られたのが初めである。
その続編である「ドクター・スリープ」では、子供たちの「シャイニング」を狙う吸血鬼のような集団が登場する。
「シャイニング」については、「ダークタワー」の原作では記述がなかったと思う。
この映画での「シャイニング」の扱いは、「ドクター・スリープ」に近い。
面白いところからネタを持ってきて、話を作り替えたのだと思う。

ガンスリンガーが黒人なのは違和感があった。
原作の挿絵では白人だったからだ。
でも、映画を観ていると、すぐに慣れた。
彼のガンさばきはスゴいと思ったが、最後の戦いでは敵が多すぎて、ちょっと嘘っぽい。

よくまとめたものだとは思うが、こじんまりとまとまって、インパクトの少ない作品になってしまった気がする。

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