「謎の独立国家ソマリランド」の高野秀行によるアヘン生産地での潜入レポである。
実際に、アヘンを栽培している村に住んで、アヘンの収穫まで行っている。
ジャーナリストというよりも文化人類学者のように、現地の人と生活をともにしている。
ついには本人がアヘン中毒になってしまう。
冒険小説を読んでいるようである。
場所はミャンマー北部。
反政府ゲリラが支配する危険な地域なのだが、アヘンを栽培している村は、のんびりしている。
アヘンによる利益を巡る様々な陰謀があるのだろうが、当の村人からすると、基本的には農作物なのだ。
アヘンを栽培している村にたどり着くまでは大変だったが、入り込んでしまえば片田舎の農村の生活である。
文明化の進んでいない村で、ホームスティをしている感じもある。
結果的にはそうだが、アヘン栽培の実情を取材するために、アヘンを栽培している村に住み込んで、一緒に栽培までしてしまう姿勢はスゴい。
記者会見で質問さえしないサラリーマン・ジャーナリストとは世界が違う。
その結果、アヘン中毒にまでなってしまったが、うまく中毒から逃げ出せて何よりだ。
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