悲球伝

悲球伝 (講談社ノベルス)「伝説シリーズ」も残すところ、あと1冊らしい。
そんな切羽詰まった状況なのに、本作では主人公が登場しない。
宇宙に向かった主人公たちが、危機に陥っていると感じた残留組が、彼らを助けに行こうと奮闘する。

空々空が、太陽系の惑星と交渉している間、地上に残されたメンバーは、対地球組織に潜入し、情報収集活動を続けていた。
空々空たちから、全く連絡がないため、トラブルが発生していると思い、救助を決意する。
しかし、そのためには、大気圏を脱出する宇宙船が必要だった。

この巻で面白いのは、人格を組み込まれたAIである。
死んだ人間の人格をデータとして取り込み、AIとしているので、その人間がまるで生きているように考え、行動する。
小説的には、単に復活である。
これがアリなら、死んだキャラクターがいくらでも再登場できる。

その上、アンドロイドのボディ1つに、複数の人格データが保存できるので、必要に応じて呼び出して、ブレインストーミングまでできる便利さだ。
また、船のコントロール・コンピュータにも人格を取り込んでいる。
これは、まさに、アルカディア号!

次回、最終巻で、どんな終わらせ方をするのか、とても楽しみだ。

死人に口なしーただし多弁な代弁者あり。

彼女くらいに経験を(死後にさえも!)重ねていると、努力は実らないほうが愉快になるくらいだという段階までこじらせてしまっている。

その後、カルテ・ヌルは死んだ英雄を人格プログラム化し、救命船『リーダーシップ』のメインコンピュータに組み込む。

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