悲終伝

悲終伝 (講談社ノベルス)まさか本当に終わるとは思わなかった。
西尾維新のことだから、最後の最後で新シリーズの予告が入るのではないか、と疑っていた。
かなりアクロバティックな展開ではあるが、無事「伝説」シリーズは終了した。
とても長い道のりだった気がする。
巻数自体はそんなに多くないのだが、1冊が長いので、とても沢山読んだ気がする。

地球の乱入により、太陽系会議が決裂してしまった。
宇宙の彼方に投げ出されそうになった空々たちは、復活したバニーガールによって月面に突き刺さることになった。

と、あらすじを書いても、何のことかさっぱり分からない。
このシリーズは、後半に至っては、あまりにとんでもない展開となったため、説明が難しい。
地球対人類、という基本設定もおかしいが、この設定をそのまま膨らませて行った結果、どうにもイメージが難しい状況になってしまっている。

この最終巻でも、危機的状況を脱するために主人公たちが奇策を思いつくと、読んでいる時は、その手があったか!と感心するのだが、少し冷静になって考えると明らかにおかしい。
月面を脱出するために、月を地球にぶつけるって・・・

このシリーズでは、実際に人間が動いている描写よりも、主人公たちが考えている内容の内面描写が圧倒的に多い。
考えに考えているうちに、とんでもない結論に達してしまう。

「ダーカー・ザン・ブラック流星の双子」のようなオチではあったが、とりあえずひとつの決着をみた。
彼らの冒険譚が読めないのは寂しくもあるが、あの厖大な文書を読まなくても良い、と思うと安心してしまうところもある。

「わかっていますよ。私が嘘をついたことではなく、嘘をつかれる程度だった自分が嫌になったんでしょ?」
「きみが嫌になったんだよ」

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