特撮、アニメ、ゲームファン向けのごった煮の映画である。
80年代オタクの作ったVRゲーム世界で、世界の覇権を得られる鍵を巡って盛大なゲームが繰り広げられる。
説明するにはネタバレは避けられないので、この先は映画を観てから読んでください。
とても追いきれない80年代ネタの洪水だが、私のツボは「シャイニング」でした。
疲弊した未来、人々の楽しみはバーチャルリアリティの中でゲームをすることだけだった。
そのゲームの製作者の遺言で、バーチャルリアリティの世界に3つの鍵が隠されていることが分かった。
この3つの鍵をゲットした者は、バーチャルリアリティの世界の管理者権限と遺産を手に入れることが出来る。
つまり、世界のすべてが得られるのだ!
両親に死に別れ、スラムで暮らすゲーム好きの少年がこの挑戦に挑む。
しかし、世界的な大企業も管理者権限を狙っていた。
冒頭のレースシーンから、80年代のキャラやメカのオンパレードである。
デロリアン、アキラのバイク、キング・コング、ジェラシックパークの恐竜などのメインだけでなく、モブシーンでも見たようなキャラの洪水である。
劇場であるにも関わらず、一時停止したくなる。
セリフも80年代トリビアが多く、分からないと、ちょっと悔しい。
私が一番盛り上がったのは、「シャイニング」のシーン。
主人公たちが入る映画館からして「オーバールック・シアター」である。
映画通りのセットで、あの双子の、あの風呂場の婆さんも登場する。
「エレベーターの方に行っちゃだめだ!」と思わず叫びたくなる。
敵との大乱戦では、メカゴジラVSガンダムが登場する。
日本人にしか分からないだろう、というスピルバーグの大サービスである。
そして、コインのトリックが良い。
脚本としても良く出来ている。
趣味をエンターテイメントに昇華した、こんな作品もアリだと思う。