ストーカー

ストーカー (ハヤカワ文庫 SF 504)タルコフスキーの映画で有名な「ストーカー」の原作である。
今となっては古典だが、読んだことがなかった。
映画はいい雰囲気だが、タルコフスキーの映画なので当然眠い。
映画はどれだけ原作に忠実かと思ったが、かなり違っていた。

ある日、異星からの訪問があり、異星人の意図は分からぬまま彼らは去り、彼らの影響を被った地域だけが残った。
その地域「ゾーン」では、物理学の法則が通じない不思議な現象が起こる。
しかし、そこで発見された遺物は、人類に新しい発明をもたらす貴重な資源となった。
この小説は、ゾーンの影響に戸惑い、苦悩する人々の物語である。
違法に「ゾーン」に侵入し、命がけで遺物を回収する者は「ストーカー」と呼ばれる。

レムの「ソラリス」と同様に、「ストーカー」の基本的思想は、人間に宇宙は理解できないかもしれない、という考え方である。
アメリカのスペオペが、西部劇を宇宙の大きさに広げただけなのに対し、人間の限界に関する不信感が面白い。

本書は複数の登場人物の視点で描かれている。
映画はその一部を抽出し、監督が加工したもののようだ。
分かりやすいとは言えないが、映画の方がシンプルだった。
本書では、主人公であるストーカーが、何度もゾーンに挑む。
成功することもあれば、失敗することもある。
ピクニックの後の虫のように、異星人の意図は人間には理解できない、という発想は面白い。
でも、小説としては、盛り上がりに欠ける気がした。

「ピクニックだよ。こんなふうに想像してみたまえー森、田舎道、草っ原。
車が田舎道から草っ原へ走り下りる。
車から若い男女が降りてきて、酒瓶や食料の入った籠、トランジスタラジオ、カメラを車からおろす・・・テントが張られ、キャンプファイアが赤々と燃え、音楽が流れる。
だが朝がくると去っていく。
一晩中まんじりともせず恐怖で戦きながら目の前で起こっていることを眺めていた獣や鳥や昆虫たちが隠れ家から這いだしてくる。
で、そこで何を見るだろう?

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