スカラムーシュ・ムーン

スカラムーシュ・ムーン (新潮文庫)久しぶりの海堂 尊。
途中読んでいない作品があるのも原因だが、ちょっと目を離したすきに、「チーム・バチスタ」から始まった桜宮サーガは、とんでもないことになっていた。
メインの舞台が大阪なので、もはや「桜宮サーガ」とも言えない。
普通とは違う意味で、SFだった。

冒頭は、幼馴染3人の大学院生による実家の事業を元にしたベンチャービジネスの話である。
海堂 尊は、こういう青春小説を書かせてもうまい。
楽しく読んでいたら、実は本題は全く違うことに途中で気づく。
実は、シリーズのメインキャラクターでもあるスカラムーシュ(道化師・大ぼらふき)こと彦根が、大阪の独立を目指し、中央からのワクチン戦争に対する防衛策を練っていたのだ。
地方の業者への有精卵の大量発注は、中央に頼らず独自にワクチンを製造するためには、どうしても必要だったのだ。

というわけで、物語は中央対地方の戦いになっていた。
海堂 尊なので、当然ネタは医療問題だが、それにしても驚くべき展開だ。
医療ミステリー・シリーズが、地方の独立戦争になっていた。
現代日本人からすると、現実感が薄く、まさにSFのようだ。

エンターテイメントとしての派手さは必要だと思うが、彦根がモナコでギャンブルをするのは余計だった気がする。

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