黒部の山小屋のオーナーが語る山賊たちと山の不思議。
国による規制が出来る前から山に住んでいた人たちは、法律を無視した行動から山賊のように思われてた。
しかし、彼らは昔からの生活をそのまましていたに過ぎない。
山とともに生活していた彼らは、普通の人よりも山に詳しく、時に超人的な行動をする。
著者が出会った山賊たちは、強烈なキャラクターを持った人が多い。
山での怪異も含め、実際の話というより昔話のように感じるところもある。
まだ山の管理が曖昧な時代、現代と比べると、山には違った楽しさがあったことがうかがえる。
とくに彼らの目つきを見たとき、言いしれない魅力を感じたんですよ。
あれは人間社会では正常に受け入れられず、あの”荒々しく美しいアルプス”に生活を求めている一種の性格破たん的な者も目です。
あの人たちは山の中でなくては生きていられない人たちだったのでしょう。
もし彼らが、まともなことをしていたら、おそらくはたいした人間になっていたにちがいない。
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