若おかみは小学生!

若おかみは小学生!  映画ノベライズ (講談社青い鳥文庫)原作は有名らしいが、タイトルでも分かる通りターゲットが女子小学生なので、全く知らなかった。
ノーチェックの分野だったが、ネット上での評判がとても良いので観てみることにした。
とても良かった。
映像的には恐ろしくクオリティが高く、手抜きがない。
小学生でも理解できる内容でありながら、大人もうならせる重いテーマを無理なく表現するバランスは素晴らしい。
多くの人に観てほしい映画だった。

朝イチの回で観に行ったので、劇場がこどもばかりだったらどうしようと思ったが、そうでもなかった。
子どもと同じくらい大人だけの観客もいた。
ただ、広い劇場は、1割くらいしか入っていない感じだった。

主人公の小学生おっこは、旅館である祖母の家からの帰り道、両親ともども交通事故に会う。
おっこ自身には怪我もなかったが、両親は帰らぬ人となる。
両親を亡くしたおっこは、旅館を経営する祖母の元に引き取られる。
祖母の家に引っ越した日に、おっこは旅館に居着いている男の子の幽霊に出会う。
そして、行きがかり上、祖母の旅館を手伝い、「若おかみ」を目指すことになってしまう。
ライバルのホテルの女の子の幽霊や小鬼とも仲良くなって、旅館の仕事を覚えていく。
気丈夫振る舞ってはいるが、両親の死を受け入れきれていないおっこだったが・・・

とにかくクオリティが高い、キャラクターのデザインはカワイイのだが、美術や料理、そして演出の間なども全く手が抜かれていない。
押し付けがましくもなく、無駄に元気過ぎず、かわいそうでもなく、とてもバランスが良い。
子供向けにしてはヘビーなテーマを、見事に描いている。
予想外の拾い物だった。
多くの人に観て欲しい映画だ。
「この世界の片隅に」「カメラを止めるな」のように、単館上映から口コミで広がるタイプの作品である。

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