2001年に公開された「アンブレイカブル」のまさかの続編。
前作「スプリット」の最後で「アンブレイカブル」の主人公が一瞬登場していたが、本作では本格的に対決することになる。
シャマラン監督得意のワンポイント・アイディアを中心とした作品であり、ヒーローものでありながらとても地味である。
そして善悪の判断が難しい作品になっている。
絶対死なず、悪を感知するデビッド・ダン。
24の人格を持ち、怪物のようなパワーを発揮するケヴィン。
高いIQを持つが、骨折しやすい体質のミスター・ガラス。
3人は逮捕され、精神病院で治療を受ける。
ヒーロー願望を取り除くのが治療の目的である。
精神科医エリーの説得で、デヴィッドとケヴィンは、自分の能力に疑問を持ち始めるが、ミスター・ガラスの策略で精神病院を脱走し、対決することになる。
デヴィッドとケヴィンの能力は、常人よりタフだったり、壁を登ったりできるだけで、空を飛ぶこともなく、目からビームが出るわけでもない、ビジュアル的には地味な戦いだ。
時に獣のように暴れるケヴィンは、24の人格の中には穏やかな性格も隠されている。
「スプリット」で誘拐され、生還した女子高生ケイシーが、彼の良い部分を信じ、助けようとする。
ヒーローを見つけるためには大量殺人を辞さないミスター・ガラスは、人間の可能性を信じていることが最後に明らかになる。
アメコミ・ヒーロー映画のくせに、影の組織を含め、誰が悪か判断が難しい作品になっている。
この終わり方なら、続編ができることはないだろう。