ハロー・ワールド

とても現実的な技術情報を元にしたSFの短編集。
ドキュメンタリーのようなリアルさだが、すぐに古くなってしまう恐れがある。
扱っているネタもタイムリーなものが多い。
IT系の用語が、少しマニアックで楽しい。
基本的なテーマは「自由」。

ハロー・ワールド
Webの広告を弾くアプリが、ある国の政府の陰謀を暴くことになってしまう。
日本に住む普通のエンジニアは、その陰謀を暴くべきか?

行き先は特異点
GPSの異常によって道を誤った自動運転の車。
間違えたのは車だけではなかった、配送ドローンの群れも生物のようにある一点に集まってくる。

五色革命
ネットによって実現された映像配信システムは、タイのクーデターにおいて、良くも悪くも大きな影響力を持つことになる。

巨象の肩に乗って
ツィッターが中国政府に寝返ったことを知った主人公は、協力なセキュリティ機能を持つSNSのシステムを開発する。
しかし、それは日本で生活できない状況に彼を追い込むことになる。

めぐみの雨が降る
強固なセキュリティを持つSNSを開発した主人公は、世界的に有名な存在となるが、世界各地を転々と移動することになる。
そんな彼が、中国の仮想通貨に関する国内闘争に巻き込まれる。

走るという本能を自動車の形で与えられたグーグルカーは、勘や予感に従う人間のように特異点を目指した。

鳥と同じような群れを作るためのコードは〈アルバトロス〉を動かす、何万行かあるはずのコードのどこにも書かれていない。
それでも、自然へ解き放たれた機械たちは生き物のように振る舞ってた。

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