クラウドサービスの運用方法を知りたかったのだが、出版物は少ない。
この本は、ニフティの運用するクラウドサービスでのシステムの構築、管理方法が解説されている。
業界No.1ではないが、国産なので言葉は分かりやすい。
まず、サーバーの作成である。
タイプや容量を選択するのは当然だが、ファイアウォールの設定もこの段階で行うようだ。
また、ロードバランサーの利用も考えておいた方がいいようだ。
モデルケースでの注意すべきポイントが解説されている。
アプリケーション・サーバーについて、ニフティクラウドではオートスケール機能があるので、設定値に達すると、自動的にサーバーを増やして、処理を分散させることが出来るようだ。
データベース・サーバーといえば、いかに冗長化するかが問題だが、クラウド環境ではハードウェアの障害時の対応はクラウド側で考慮されているので、利用者は考えなくて良いのは嬉しい。
それでもバックアップは必要になる。
メンテナンス時の誤りや、アプリケーションのバグによるデータ消去に備えて、バックアップは必須である。
監視項目としては、以下が説明されている。
・生存監視
・リソース管理
・アプリケーションメトリクス、ビジネスメトリクス監視
監視項目はたくさんあるが、以下を基本とする。
「対応が必要な場合」以外通知しない。
クラウドのセキュリティは、他の運用方法と異なり。「コントロールパネルの保護」が一番重要になる。
コントロールパネルを乗っ取ると、サーバの削除まで出来てしまうからだ。
なぜ冗長性を考慮する必要がないのでしょうか?クラウドの場合、仮想サーバーインスタンスが動作しているハードウェアに故障が発生しても、それはニフティクラウド内で自動的に検知され、数分で別のハードウェアの上にインスタンスのディスクイメージが移動して立ち上がります。
ログを記録する際のI/O性能について、残念ながら仮想サーバー標準のOS領域のディスクはそれほど高速ではないため、ログの出力が容易にボトルネックになり得ます。物理サーバーで構築していたときには、あまりこの部分で問題になることがなかったので注意が必要です。