池上彰と考える、仏教って何ですか?

池上彰による仏教入門である。
何で今更仏教なのかとは思うが、「仏教心理学」という言葉で腑に落ちる。
キリスト教などと違い、仏教は、自分の心のあり方を追求する技術だと捉えると、現代でも十分に有用な方法である。

前半で語られる仏教の歴史は、高校の倫理社会で教わった内容で、特に目新しさはなかった。
でも、知らない人には必要な前提知識なのだろう。

これだけ豊かになった現代でも、人々の心は満たされず、絶えず不安に苛まれている。
物質的な富や名誉が移ろいやすい幻想であるという視点は、むしろ現代でこそ必要なのかもしれない。

死ぬ時に後悔しないためには、「正しく生きた」と自分が納得することである。
そして「正しく生きる」ための技術を追求したのが「仏教」ということになる。
「瞑想」が「マインドフルネス」という形で見直されているように、「仏教」も「仏教心理学」として再生するのかもしれない。

仏教の心理学について勉強して、どうやったら破壊的な感情をコントロールし、乗り越えることができるのかを勉強するべきだと思います。

愛や慈悲というと堅苦しいですが、やさしさや思いやりということです。自分の利益のためではなく、他人の幸せにつながるような言葉や行ないを普段から心がけることで、どんな局面でも、ポジティブな感情が先に生じるような癖がつけられるのです。こうした心のトレーニングなら、今日からでも始められそうです。

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