生命保険のカラクリ

本書は、新しく「ライフネット生命」を立ち上げた著者による生命保険の裏側の解説である。
既存の生命保険会社とは違った立場で生命保険を分析しているので、説得力がある。
やはり生命保険会社の運用には莫大なコストがかかり、それが手数料として顧客の負担になっているようだ。
一般的な金融商品と違い、生命保険では手数料が明示されることはない。
また、巨大に膨れ上がった生命保険会社は、自社の維持に必死なようだ。

本書の結論から言ってしまうと、「保険にかしこく入るための7か条」は次の通りである。

1.死亡・医療・貯蓄の3つに分けて考えよう
それぞれが実際どれだけのお金が必要か考える。
国による保障や企業の福利厚生もあるので、生命保険がすべてではない。
いつでも使えて、手数料のかからない貯金が最大の備えである。

2.加入は必要最小限、を心がけよう
手数料の高い保険は最小限に抑え、できるだけ貯蓄にまわす。

3.まずは中核の死亡保険を、安い定期保険で確保する。
生命保険の基本は、残された家族のための保障である。

4.医療保険はコスト・リターンを冷静に把握し、好みにあったものを選ぶ
日本では医療費の自己負担が少ない。
冷静に、払い込む保険料と期待できる給付金のバランスを見極める。

5.貯蓄は金利が上がるまで、生保で長期の資金を塩漬けにしてしまうのは避けよう
保険は強制的に貯蓄するメリットがあるが、低金利に固定される恐れがある。

6.すでに入っていても「解約したら損」とは限らない。見直そう
このまま続けていたら、満期まで総額いくらの保険料を払い込むか
解約して新しい保険に加入したら、いくらの解約返戻金が戻ってきて、満期までにいくらの保険料が節約できるか
冷静に比較しよう。

7.必ず複数の商品(営業マンではない)を比較して選ぼう

つまり、日本人が元来、「生保好き」だったというわけではない。よりたくさんの手数料を取りたいと考える保険会社の販売戦略が、そうさせたのです。

繰り返すが、保険会社が提供する保障に対しては、必ずその対価を払わなければならないというのが保険の原則である。保険に「無償のサービス」は存在しない。すべては自分が支払っているのです。

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