料理の科学

むかしから料理は科学だと思っていた。
台所は科学実験室だとも言える。
しかし、この本はとっかりからちょっと難しい。
普通にH+などの前提知識が必要になる。
知っておくと自慢になるネタが満載だが、残念ながらすべてを覚えきれない。

本書では、以下のくくりで料理の科学が解説されている。
・加工の科学
・加熱の科学
・調味の科学
・保存の科学

加工の科学では、洗う、アク抜き、切り分け、溶解と混合、コロイドについて科学的に説明している。
「洗う」には、水で洗うか、塩水で洗うかが重要になる。
浸透圧の関係で、水で刺し身を洗うと水を吸収して水ぶくれになってしまう。
塩を振ることで、魚の水分が外に出て、生臭い水分も除かれる。
溶解とは溶かされるものが1分子づつバラバラになり、その周りを水分子などが取り囲む状態である。
小麦粉のような巨大分子は、バラバラになることがなく、長時間たつと水分子と分離してしまう。

加熱の科学では、熱の正体と燃焼や電気による加熱、液体と食品の熱変化、加熱の種類について説明している。
加熱には、煮る、蒸す、焼く、揚げるなどの方法があるが、温度の上限がない水蒸気を使う「蒸す」が、実が最強の方法である。
「揚げる」時には、食品に含まれる水分が油に置き換えられている。
天ぷらは、表面の水分が油に置き換わり、中身は表面からの熱伝導で蒸し焼きにされている。

調味の科学では、味覚の仕組みや調味料の種類を説明している。
人間の味覚は、味細胞の内側と外側の溶液の種類と濃度を電位差として知覚している。
現代化学では、これを再現するのは簡単なことらしい。

保存の化学では、細菌とウィルスの違うや腐敗防止の方法を説明している。
人間にとって有害な細菌とウィルスには大きな違いがあり、細胞膜のないウィルスは、科学的には生物と分類されない。

料理という日々の生活に関係するものを科学の目で見ると、新鮮な驚きに満ちている。
この本で得た知識を覚えていられれば、だけれども。

ところが、β-デンプンに水を加えて加熱すると、水素結合が切断され、ラセン構造が喪失します。その結果、デンプン分子はダラシなくデレーっとしてしまいます。この状態のデンプンをαデンプンと呼びます。要するに「グデタマ」状態であり、ご飯の状態であり、消化のよい状態です。
しかし、この状態で温度が低くなると水素結合が復活し、デンプンはラセン構造を取り戻し、元のβ-デンプンに戻ります。時間の経った冷飯がこの状態です。
しかし、周囲に水がないとこの反応は起こりません。つまり、ご飯から水を除いた昔の「焼き飯」や現代の「フリーズドライご飯」、さらに各種「パン」は時間が経ってもα-デンプンのままなのです。

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