昆虫たちのすごい筋肉

昆虫の筋肉について書かれたマニアックな本。
そうは言ってっも、前半は人間の筋肉の解説が中心である。
筋肉の種類と筋肉を作っているタンパク質や収縮と弛緩の仕組みが説明されている。
興味深いが、専門用語が多く、頭に入ってこない。

昆虫の筋肉は、全部横紋筋であり、これは哺乳類とおなじ種類の筋肉であるらしい。
この筋肉で、哺乳類には及びもつかない回数の羽ばたきをしている。
羽ばたきのしくみを解明するために粒子加速器であるスプリングエイトから発生するX線を利用している。
極小のものを観察するのに、巨大な機器を使っているコントラストが楽しい。

昆虫の筋肉は、対応調節や鳴くためにも使われている。
アリのパワーは、人間サイズで考えると凄まじいものになる。

昆虫の長さが半分になると、体重は8分の1になるけれど、揚力はさらにその半分の16分の1になってしまうのである。したがって、2倍一生懸命に羽ばたかないと飛ぶことができなっくなる。これが、小さな昆虫が高い頻度で羽ばたく理由である。

なんと、この論文の著者は絶対音感の持ち主で、羽音を直接耳で聞いて音階名を言い当てたのだという。

動物の体重は身長の3乗に比例するが、筋肉のちからは身長の2乗に比例する。だから、体が小さくなっても力は体重ほど減らない。アリが力持ちに見えるのはそのためである。

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