われはロボット

「銀河帝国は必要か?」で、アシモフの作品について解説されていたのを読んで、俄然読み直してみたくなった。
こどもの頃に読んだはずだが、いい感じに忘れているので、今読んでも楽しく、発見がある。
ちょうどKindleで安く買える作品で多いので、この機会にコンプリートを目指してみたいと思う。
まずは、ロボットSFの古典にして、始祖とも言えるこの短編集からだ。

驚いたのは、「ロボット三原則」を世に出したこの古典にして、ここまで完成度が高いことだ。
「ロボット三原則」という原則を作ったそばから、その矛盾を検証し、弱点をついた犯罪を考えていることだ。
アシモフはSF作家であると同時にミステリー作家でもある。
ミステリー作家としての謎解きの見事さが、時代を超えて古さを感じさせない理由のひとつかもしれない。

もうひとつは、アシモフのユーモア作家としての素晴らしさがある。
人間側もロボット側も、個性的なキャラクターが多く、キャラクターものとしても楽しめる。
そして、捻ったオチに唸らされる。
さすがだ。

キューティは、妙に人間めいた神秘的な風情で、長いしなやかな指を見つめている。
「それよりもっと満足すべき説明があるはずだと思います。 あなたがわたしを作ったとは、とうてい考えられません」  
地球人はだしぬけにげらげら笑いだした。
「いったいぜんたい、なんでまた?」
「直感といいますか。今のところはそんなふうにしか言えません。しかしわたしはそれを論証してみせるつもりです」

USロボット& 機械人間株式会社の不文律はつとに知られている。(社員は同じ過ちを二度くりかえすことはない。一度目でクビだからだ)

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