スティーヴン・キング 映画&テレビ コンプリートガイド

ホラー小説の帝王スティーヴン・キングは、作品の映像化についてもダントツである。
内容的にはとても単純なものが多いが、それゆえに映像化し易いのか、多作な彼の作品で、映像化されていないものを探すほうが難しい気がする。
キングの映画化、テレビ化された作品の完璧な解説を目指したのが本書である。
解説自体は筆者の想いが強く、必ずしも私の評価と一致しないが、楽屋落ちのような情報も楽しい。

Kindle版の方が紙の本より安く買えるが、このような写真の多い本は、やはり紙の本で手元に置きたくなる。
大きな写真が多く、観ているだけでも楽しくなる。

私は、高校の頃からキングのファンだが、私でも知らない映像化作品が結構あった。
日本で公開されていない作品は仕方ないが、映画公開されず、ビデオ・リリースされた作品までは、全てを追いきれていない。
そして、大概の場合、キング作品の映像化は、原作を超えることができない。
キング独特の執拗な文体は、映像化が難しいと思う。

また、リブート作品が多いのにも驚いた。
「キャリー」など、何回もリブートされている。
原作に関係のないかたちで、続編が作られているものも多い。

つい最近「ドクター・スリープ」が映画化されたばかりだし、配信のコンテンツとしてシリーズ化の企画も多い。
数年後にこのような本を作れば、とても分厚いものになるに違いない。

キングの本領は、他のアーティストたちが彼ら自身を投影できるテンプレートを提供するところにある。強烈な個性(デ・パルマ、デビット・クローネンバーグ、キューブリック、ライナー、フランク・ダラボン)の中で大きく成長する。それこそがキングの物語が持つ原型的なエッセンスに他ならない。

カーンは早い時期の試写において、最後にアニーが彼女の気味悪い人形と同じくらい穏やかな顔で入ってきた時、場内がしんと静まったのを覚えている。その時、暗闇の中で声が響いた。「気を付けろ! 彼女は銃を持っている!」声の主はキングだった。

キングは「ファイア・スターター」及び「シャイニング」の続編について、チャーリー・マッギーがダニー・トランスと結婚してセイラムズ・ロットに引っ越す、と冗談半分のアイデアを話すだけだった。2人の間に生まれる子のことを考えて欲しい。

われわれはいかに子供時代を忘れてしまったことか、とキングは嘆く。色彩はもっと鮮やかで、日はずっと長く、空はいっそう広かった。「子供たちはショックの連続の中で生きている。見るもの聞くもの全てが極めて新鮮かつ強烈なので、それはそれは恐ろしいはずだ」。

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