十二国記や屍鬼で有名な小野不由美は、このゴーストハント・シリーズで先に有名になっていたとは知らなかった。
たまたま配信でアニメ版を観たが、最終巻でである7巻だけがアニメ化されてなかったので、気になって原作を読んでみた。
様々な謎が解明される、この最終巻は是非アニメ化して欲しい。
高校生の麻衣は、幽霊が出るという噂の旧校舎で調査に巻き込まれることになる。
調査をしていたのは麻衣と同じくらいの年齢だが、心霊現象研究所の所長であり美少年の通称「ナル」だった。
その事務所でバイトをすることになった麻衣は、同業の坊主、巫女、霊媒師、エクソシスト達と様々な怪異現象に立ち向かうことになる。
ジュブナイルだけあって、少女マンガのような女の子が主人公だが、そこは小野不由美、心霊関係の設定がマニアックだ。
リチャード・マシスンの「ヘルハウス」を想わせる疑似科学的視点が嬉しい。
ゴーストハントのメンバーは、坊主、巫女、霊媒師、エクソシストと宗教的にバラエティが富みすぎていて、大丈夫か心配になる。
ネタバレだが、主人公の夢に現れる優しいナルが、実は殺されたナルの双子の兄で、主人公はそちらに惚れてしまうというオチは面白い。
「いい加減というか・・・結構、でたらめ?」
「そう言われても仕方ないだろうな。さっきも言ったように、霊については科学的なアプローチがしにくい。現象には再現性がないので目撃談を収集するしか研究方法がないからだ。だが、目撃談を収集しようとすれば、目撃した現象を語る言葉が必要になる。霊について語る言葉は代用宗教の中にしかない。定義の明らかでない言葉に頼らなければ説明すらできないーしれが霊現象だ。そこには霊に対する研究の難しさがある」