池上彰の世界の見方 中東

池上彰の本を読むのは久しぶりである。
バランスの取れた世界観に安心して読み進められる。
ただ、テレビでの解説と同じことを言っていることが多いので、発見は少ない。
この後すぐに読んで「池上彰の世界の見方 中国・香港・台湾」も同様だった。
記憶の定着させるための復習としては、良いのだけど・・・

今回、新しく得られた知見は次の通り。

ドイツ占領下では、ドイツ国内よりもユダヤ人が多く殺害されていた。
ドイツ国内が14万人だったのに対し、ポーランドで270万人、ソ連で70万人、ルーマニアでは12万人。
この地域でのユダヤ人差別の深刻さをうかがわせる。

シリアからヨーロッパに渡る難民が急激に増えたのはスマホが原因。
先にヨーロッパに行った人に連絡を取ったり、ルートを調べたり出来るようになった。
2015年になって、難民の間でのスマートフォンの普及率は100%に達したと言われている。
自分たちを撮影しながら移動している。

以下は「池上彰の世界の見方 中国・香港・台湾」より

共産主義は、私有財産をなくし、すべての人が平等に暮らせる一種の理想主義。
社会主義はひと言でいうと、「共産主義に向かって進もうとしている過程」。

自由な経済活動はやらないで、国が立てた計画どおりにやりましょうというのが社会主義。
マーケットで自由に取引することによって値段が決まる。つまり需要と供給の関係で値段も決まるというのが市場経済(資本主義)。
「社会主義市場経済」は、社会主義の資本主義という不思議な状態。

「権力は腐敗する。絶対的権力は絶対的に腐敗する」イギリスの歴史家ジョン・アクトンの有名な言葉。

宗教は、今がどんなにつらくてもよい行いをすれば、来世で天国に行けると説く。
死後は天国に行けると信じている人は、今の社会の仕組みがどんなにおかしいと思っても、それをひっくり返そうという運動を起こさない。
結果的に、宗教は革命を起こす力を削いでしまう。
宗教というのはそういう役割をしていると、マルクスは説いた。

文化大革命によって、儒教つまり、中国人が長い間大切にしてきた道徳観が徹底的に破壊された。

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